ポーランドに移住して一番残念に思う、冬の大気汚染問題

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ポーランドの主要産業の一つに炭鉱産業があります。

炭鉱といえば、映画「フラガール」で描かれていたような過去の遺産というイメージがあったので、ポーランドに移住してから普通に石炭が生活にあることが大きな驚きでした。

そう、今でも石炭ボイラーや石炭ストーブを使用している家庭が驚くほど多いのです。
ある程度新しい住宅やアパートは地域暖房に接続していたり、ガスや電気ボイラーを完備しているところが多いのでいいのですが、一軒家等が建ち並ぶ昔からの住宅街や、カミニツァ(kamienica)と呼ばれる古い造りのアパートなどでは暖房設備が整っておらず、今も石炭を燃やして暖を取る人が多く、窓を開けただけで何かを燃やしているすえた臭いを感じ取れるほど。

私も昨冬はそんな住宅街で生活していたため、どんなに天気が良くても庭に洗濯物が干せず、窓を開けて換気ができないことにも息苦しさを感じていました。そして我が家も石炭ストーブでした…そう、理由は安さと熱量の高さ。あとは街に住んでいて薪を沢山準備できない等の理由です。燃やすたびに贖罪の気持ちが生まれて、それはそれは嫌でした。ああまた大気汚染の一助を…と落ち込みました。家の中も微妙にススで汚れていきましたしね!

今年引っ越しをし、セントラルヒーティングも完備しているアパートに引っ越してからは、燃える火を見れない寂しさはありますが、解放されて本当に快適です。
近所もブロックと呼ばれる、最近のコンクリートブロックアパートが多いので、以前ほど臭いも酷くありません。(それでも臭う日もあります)

ヨーロッパのスモッグ首都ポーランド

このような状態のポーランドの現状を、フィナンシャルタイムズでは「石炭の燃焼がポーランドをヨーロッパのスモッグ首都にした」と報道しています。

Financial Times 「Polish city more polluted than Beijing  Coal burning makes Poland Europe’s capital of smog」

画像の地図から見て取れるように、ヨーロッパ内の大気汚染都市TOP50のうち33都市がポーランドから選出されてしまっています。

出典:Financial Times

国家産業としての炭鉱

社会問題として大きく取り上げられている石炭での暖房問題ですが、何故いつまでも改善されないのでしょうか。EUからは環境負荷への基準値超えを厳しく追求されているようですが、ポーランドから具体的な解決策は提示されず。
それには経済的理由と炭鉱産業と国の結びつきが大きく関係してそうです。

EU加盟後、経済成長を続けているポーランドですが、まだまだ西側諸国に比べて所得が低いのは否めません。金銭的余裕がないことから、暖房設備の入れ替えができなかったり、石炭の価格が他(ガス、電気等)に比べ圧倒的に安いため、石炭を購入する人が多いという現実があります。
ポーランドは石炭が国の発展を支えてきたため、ポーランドの石炭は既に採算に合わない産業となっているにも関わらず(他国から輸入するほうが断然安い)、国が産業を保護し推奨しています。

また、それに輪をかけて、炭鉱労働者及び引退した人々には、福利厚生として石炭が無料で提供される制度が存在しており、石炭の利用に歯止めをかけられないという実情もあるとか。
無料だったら、そりゃ石炭燃やしますよね…よっぽど市民意識が高くなければ。

私が住む地域は炭鉱が主要産業だった場所なので、当然元労働者等も多く…空気が悪いのも納得です。無料で貰った石炭をガンガン燃やしてるんでしょう。きっと家庭用暖房の石炭依存率も他より高いはず…。
しかもポーランドは大陸内部に位置しているため、海からの風が一部に限られており、空気もよどみやすいという悪循環。

炭鉱労働者団体は政治にも大きく影響を与えているらしく、支援を受けている現政権も強硬な制度改革を打ち出せずにいたそうです。

石炭無料法の廃止

今回、その石炭無料法(?)を廃止し、条件に応じた対象者に対し石炭を無料で提供する代わりの保証として10,000ズウォティ(約32万円)の一時金が支払われる法が施行されることになりました。

SILESION.PL 「アンジェイ・ドゥダ大統領は石炭無料権喪失の補償に関する法律に署名した」

果たしてこの法律が公を奏するのか。石炭依存を軽減させる効果はあるのか、気になるところです。

その他に、自治体単位でも改善に取り組む例があります。クラクフでは2020年までの家庭用ストーブの廃止を宣言し、暖房設備の入れ替えに補助金を出しているそうです。その他の自治体でも同様の取り組みが始まっています。
ポーランド人の相方曰く、そこまで強攻策を打ち出しても、ポーランド人の石炭依存メンタリティを変えれるかどうか怪しい、そうですが…。

とにかく深刻な状況なので、一刻も早い自体の改善を望みたいと思います。

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2017.11.17

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