ポーランドに混乱が起きた公立学校教員によるストライキ

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ちょっと前のニュースになりますが、2019年4月にポーランド全土において公立学校(幼稚園~高校)の先生によるストライキがありました。その期間なんと2週間以上。期間を定めず無期限ストライキとして始まりましたが、教員側の要求と政府側との折り合いがつかずに長期化。私立学校は管轄が異なるため通常通りだったようですが、全国20400ある公立学校のうち14000校の教員がストライキに参加。ポーランドは基本的に共働きが多く、昼間子供の預け先に困る親が続出し、こちらも大きな問題になりました。それにもかかわらず多くの保護者層からも今回のストライキは支持されていたのだとか。

事の発端は大きく以下の2点によるものと報道されています。

★check Teacher’s strike Sweeps Poland  (Labor Notes 2019.04.23)

1.2017年強行に施行された教育制度の改革により、急激な制度の改変によりひずみが起き、現場や生徒への負担を大きくし現場に混乱をもたらしていること(中学校を廃止し、小学校8年、高校4年の以前の教育制度に戻した)

2.与党のいわゆる「バラマキ政策」により、児童手当の増額及び対象者の拡大、現年金受給者への年金額の増額、農業への助成金拡大(なんと家畜1頭につき多額の助成金を出すなど、支離滅裂な政策…)が実施されたのに対し、教員は対象外であり待遇の改善が全くなされていないこと

特に教員の待遇改善については現場の不満が大きいようです。ポーランドの教員の給与は他業種に比べるとかなり水準が低く、最低水準の教員の給与(税引き後)は月額2400zlでポーランド全体の平均手取り給与額4700zlの約半分と、かなり低いことが分かります。この最低給与、スーパーでレジ打ちをする単純労働の給与とほぼ同水準なので、いかに教員の労働が低く見積もられているかが分かるのではないでしょうか。

*参考までに、インターネットで検索した情報によると、概ね日本の教員の平均初任給は約20万円、全体の平均給与額35万円(税引き前)だそうです

私の周囲には教員をしている友人及び親族が多く、以前より教員の給与待遇が非常に悪いことは耳にしていました。日本では退職した教員の年金額が高いことが有名(?)ですが、ポーランドでは元教員の年金は低いのだとか。実はパートナーのお母さんが元小学校教員なのですが、いつも少ない年金を嘆いております(色々と嘆き憂うのはポーランド人の十八番ですが!)。
今回のストライキが実施される前から何回かに渡り政府側と教員組合が交渉を重ねてきましたが、組合側の「一律給与1000zl上乗せ」という要求は通らず交渉が決裂。今回のストライキとなりました。

しかし、ポーランドの高校では5月に「Matura(マトゥラ)」と呼ばれる大学入学資格試験取得のための大事な試験が控えており、この試験は基本的に高校で行われるため、Matura前のストライキ終了に向けてかなり神経質な展開が続いておりました。

最終的には合意には至らず、しかし、Matura実施のために4月下旬に一時的にストライキを終了し、学校は通常営業を開始。無事Maturaも行われました。しかし教員組合側は交渉の継続を宣言しており、次回は夏休み明け9月に再開すると立場を明確にしています。

★check
Polish teachers suspend strike but threaten with broader protest in September (http://www.tvn24.pl)

この騒動はしばらくの間長く続きそうです。先生にとっていい結果を勝ち取れるといいのですが。

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