ポーランドで話題の映画「KLER(聖職者)」

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カソリック大国であるポーランドで現在物議を醸している映画、それが今回紹介する「KLER(聖職者)」です。

ポーランド社会の問題を正面から取り扱う映画を製作し続けている社会派の映画監督Wojciech Smarzowski(ヴォイテク・スマルゾフスキ)氏の監督作品。本監督は過去に東京国際映画祭などで作品上映されている経緯があるので、いずれ日本でも「KLER」が見れる可能性も高いかもしれません。

映画詳細はこちらから(ポーランド語)→ MULTI KINO「KLER」紹介ページ

本作品は、2018年9月、バルト海近郊の都市グディニャで開催されたポーランド映画祭(ポーランド版アカデミー賞のような、国内で重要な映画祭の一つ)で先行上映され、多くの観客から熱い反応を得た映画の一つでもあり、多くのポーランド人が劇場公開を心待ちにしている(と、我が家のポーランド人が言っている)映画でもあります。

ポーランド国内での公開は9月28日から。というわけで、まだ上映されていない映画であるにも関わらず、かなりの盛り上がりを見せています。

この映画がなぜ物議を醸しているかというと、カソリック教会の不祥事について取り扱っている社会派映画であるためです。

多くの方がご存知のように、ポーランドは統計上は国民の90%がカソリック信者であると言われているカソリック大国。現政権を担っている与党「PIS(法と正義)」の最大支持団体はカソリック教会、と政治とも深く結びついています。また、人々の生活にも深くクリスチャン文化が根付いており、それだけにカソリックの問題を正面から取り扱うことは言わばタブー。ポーランド映画がカソリック教会の問題を取り上げること自体がセンセーショナルであり大問題でもあるわけです。

事実、映画の大部分はチェコで撮影されているそうで、ポーランドでの撮影許可が下りなかったことが容易に想像できます。お隣の国とはいえ、チェコはほぼ無宗教であるともいわれており、宗教に関しては日本人と同じくらい(?)無頓着であるのだとか。そうでなければ、このような映画の撮影許可は中々厳しいものがあるでしょうね。

この「KLER」のようにカソリック教会のスキャンダル及び事件を追及した映画として有名なのは、アカデミー賞作品賞を受賞したアメリカ映画「スポットライト 世紀のスクープ公式ホームページ(英語)」、ドキュメンタリー映画「フロム・イーブル」が有名ですがどちらもアメリカ映画。カソリック教会の影響が根強いポーランドで、ポーランド映画がこの問題に正面から取り組んだことは歴史的大事件と言えるでしょう。

(ちなみに、「フロム・イーブル」は動画検索するとyoutubeで見れます。ご興味のある方は検索してみてください。かなり後味の悪い、衝撃的な内容でした…)

この映画に対する保守派メディアの抵抗も中々にあからさまで、かなりの妨害が行われています。

毎年グディニャ映画祭の生中継をしている国営放送TVP CULTURAでは、わざと授賞式の中継時間を遅らせ監督のスピーチシーンを放送しないように取り計らいましたし、観客賞(観客が送った拍手の時間が長い作品に贈られる賞)を主催しているPOLSKIE RADIOでは、「KLER」が受賞するはずの観客賞は、技術上の問題で実際にこの作品への拍手が一番長かったかどうか判別できないため賞の授与ができないと賞を亡き者にしたり等々。

本来文化と政治は切り離して考えるべきであり、映画祭でこのようなあからさまな妨害が行われたことは悲しい事実であります。

出典:NewsWeek ポーランド版

今週の週刊誌でも「KLER」が表紙を飾り、主要キャラクターを演じているベテラン俳優Janusz Gajos氏の顔を見ない日はないほど!映画がここまで社会問題に発展することはポーランドでは珍しく、そういった意味でも注目を集めているのかもしれません。

ある街では文化センターの館長が上映を禁止する通達を発令(!!)し、不買運動ならぬ不見(?)運動が行われていますし、そうかと思えばその逆で「よくぞこの問題を取り上げた!」と称賛する人々も同じくらい沢山います(我が家のポーランド人がまさにそれ)。

保守派のメディアが取り上げている上映禁止運動の記事 → Telewizja Republika

肝心の内容は映画を見てみないと詳細が分からないため、我が家は公開され次第スクリーンで確認しよう!とわくわくしております。(非クリスチャン家庭なので…)

映画の詳細及びポーランド人の感想についてはまた後日、改めて投稿したいと思います。お楽しみ(?)に!

ポーランド映画「Kler(聖職者)」を観て

2018.10.14

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2 件のコメント

  • お久しぶりです。
    なんだかすっかり秋ですね。
    この映画、普段はあまりポーランド映画に興味のない私も観に行く予定です。
    フェイスブックである映画館のページを見ていたら、明日のプレミアに興味あり、の人が7万人も居てびっくり。ポーランド教会のタブーに触れた作品、取り敢えず観ておかないと。
    また感想を読ませて下さいね😊

    • お久しぶりです。覚えていてくださって嬉しいです!

      本当に一気に秋(というか寒さレベルはもう冬!)ですね…案の定季節の変わり目で風邪引きました。

      Klerもう見に行かれましたか?プレミア上映の関心度凄いですね!我が街は幸い上映禁止運動がおきてない為(笑)無事見に行けそうですが、早ければ来週にでも行きたいと思います。

      facebookの私のフィードには、Klerを見に行った人の感想や映画館のチェックインがかなり目立ってきました。連日テレビでも教会の会見やインタビューが多いですね。この騒ぎはいつまで続くのでしょう?

      我が家はクリスチャンがいないので、クリスチャンの反応も気になります。

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